河合賢一【公募社長の年収】平成筑豊鉄道の財政状態

赤字続きだった地方の小さな鉄道会社が、地域に根差した経営で赤字改善を目指して、社長を公募するという驚きの一手に打って出ました。

平成筑豊鉄道株式会社

(へいせいちくほうてつどう)

本社所在地 福岡県田川郡福智町金田1145の2(金田駅)
設立 1989年(昭和64年)4月26日
資本金 2億7,300万円
純資産 1億2,967万5,127円
総資産 3億6,539万5,545円
従業員数 61人(臨時社員8名)

※2017年3月31日時点

 

路線合計 51.3km

伊田線(直方~田川伊田) 16.1km
糸田線(金田~田川後藤寺) 6.8km
田川線(行橋~田川伊田) 26.3km
門司港レトロ観光線
(九州鉄道記念館~関門海峡めかり)
2.1km

福岡県および沿線自治体が出資する第三セクター方式の鉄道会社

門司港レトロ観光線、伊田線・糸田線・田川線の、単行ディーゼルカー主体で運行される典型的なローカル線です。

 

地域に根差した営業努力で、JR時代よりも運転本数、駅数を増やして、沿線の住民にとっては非常に重要な交通機関となっています。

 

民間から社長を公募

2016年までは、福岡県知事が非常勤の取締役会長、田川市長が非常勤の代表取締役社長を務めていましたが、業績の改善を図るために、

2017年に、民間から社長を公募しました。

 

募集要領

求める人物像

① 利用促進・増収のアイデアを有するとともに、各種アイデアを収集する仕組みを知り、それを実行できる能力を有すること。

② 会社経営に関する知識と実績(管理職以上の経験)を有すること。

③ 関係自治体や、地域の企業・団体と円滑な関係を維持し、地域と一体となって活動できること。

④ 熱意があり、人間性が豊かであること。

任期 2年

また、この公募により、元社長の田川市長は、副会長に就任しています。

 

平成筑豊鉄道の新社長

河合 賢一(かわい けんいち)

生年月日 1970年(昭和45年)
年齢 2017年末で47歳
出身地 大分県佐伯市
大学 東京大学 中退

東京大学を中退という経歴は珍しいですね。

日本の最高学府に入学しながら卒業しなかったというのは、よほどの理由があったのでしょうが、そこまでは調査できませんでした。

 

26歳となる1996年(平成8年)4月に、大分県庁へ入庁します。

10年後の2006年(平成18年)1月に、九州産業交通株式会社へ入社して、交通業界に入りました。

 

4月には、同社分割により九州産交ツーリズム株式会社に移籍し、わずか3年後の2009年(平成21年)4月

九州産交ツーリズム株式会社・代表取締役社長に就任しました。

 

さらに、同社を退任後、

2013年(平成25年)4月に、九州産交バス株式会社に入社し、2年後の2015年(平成27年)6月に、九州産交バス株式会社取締役に就任。

 

そして、2017年

応募総数、88名(県内42名、県外46名)のの中から、

第一次選考(書類審査)

第二次選考(小論文、面接審査、適性検査)

第三次選考(面接審査)

の3段階の選考が行われ、

 

2017年(平成29年)10月4日に正式に、平成筑豊鉄道代表取締役に就任しました。

 

社長就任のあいさつ

「一人でも多くの人に利用してもらえるよう頑張りたい。

駅ごとの宝を掘り出し、利用者にありがとうと言ってもらえる鉄道を運営したい。

高校生への通学定期券の販売を強化する。

駅に人が集まるように、駅舎の椅子や明るさなどを分析し、駅ごとに改善していきたい。」

 

河合 賢一の年収

平成筑豊鉄道の社長公募の際、年収は次のように規定されていました。

報酬 年700万円(月額58万円)程度

まだ就任して7ヶ月ですので、これからの実績次第では、役員報酬が増額されることもあると思います。

 

これまでに発案したユニークな制度

経営改善と地域密着を目指して、平成筑豊鉄道では様々なアイデアを実施してきました。

 

2003年(平成15年)7月

まくらぎオーナー募集

利用者に運営に参加してもらい地域との連携を高めるため、線路の枕木のオーナーになってもらうという制度です。

会員制で、オーナー会員になると名前や好きな言葉の入ったプレートが新しい枕木に取り付けられます。

会費は枕木の交換費用の一部に充てられるということです。

 

2008年(平成20年)2月

つり革オーナー募集

「まくらぎオーナー」に倣って、今度は、列車内のつり革のオーナーになってもらうというユニークな制度が募集されました。

 

ネーミングライツ

球場を始めとしたさまざまな施設で実施されている「ネーミングライツ」

平成筑豊鉄道のネーミングライツは、2008年7月からラッピング広告の形で車両5両の命名権を販売することから始まりました。

そして、2009年(平成21年)4月

新たなネーミングライツとして、伊田線・糸田線・田川線の16駅に副駅名となる愛称がつけられました。

ローカル線の経営を盛り上げようといろいろな工夫を凝らしているのですね。

 

平成筑豊鉄道の経営状態

域内人口の減少に伴って、旅客数の減少は避けられず、赤字経営が続いていました。

近年は、経営改善に向けたアクションプログラムの効果と、沿線自治体からの経営安定化助成金や国、県の補助金などにより、単年度収支は改善方向うです。

2015年度(平成27年度)決算では、4期ぶりに単年度黒字を確保しましたが、依然として1億円を超える累積赤字が解消されていません。

旅客運賃収入 構内営業等収入 合計
平成22年 3.4億円 2.8千万円 3.6億円
平成23年 3.4億円 2.8千万円 3.7億円
平成24年 3.1億円 4.7千万円 3.6億円
平成25年 3.2億円 2.4千万円 3.4億円
平成26年 2.9億円 2.6千万円 3.2億円
平成27年 3.0億円 2.5千万円 3.3億円
平成28年 2.9億円 4.6千万円 3.4億円

当期純損益

平成22年 -5034万円
平成23年 +2393万円
平成24年 -1億143万円
平成25年 -2779万円
平成26年 -1578万円
平成27年 +1759万円
平成28年 +2520万円

新社長の元でアイデア溢れる経営に期待したいですね。


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