カイロ大学とは【小池百合子の学歴詐称疑惑】公職選挙法違反か?「主席」は嘘確定?
東京都知事の小池百合子氏に学歴詐称疑惑。
小池百合子氏の「カイロ大学主席卒業疑惑」について、文芸春秋が特殊を組んでいます。
小池 百合子(こいけ ゆりこ)
生年月日 | 1952年(昭和27年)7月15日 |
年齢 | 2018年6月現在、65歳 |
出身地 | 兵庫県芦屋市 |
学歴 | 関西学院大学社会学部中退 カイロ大学文学部社会学科卒業 |
前職 | ニュースキャスター |
小池百合子の学歴
小池百合子都知事がかねてより自己の学歴については
1971年秋 カイロ・アメリカン大学に入学してアラビア語を学ぶ
1972年10月 カイロ大学文学部社会学科に入学
1976年10月 カイロ大学文学部社会学科を首席で卒業
※カイロ大学を卒業した、日本人女性は小池氏が初めてである
これが事実とは異なるのではないかというのです。
ところで、カイロ大学とはどんな大学なのでしょうか?
カイロ大学
設立年 1908年
大学とは思えない、まるで宮殿のような建物ですね。
所在地はこちら。
エジプトのギーザにある国立総合大学で、学生数は約20万人という超マンモス大学です。
創立された1908年は、イギリス保護国時代のこと。
エジプトには、代表的な2つ大学があり、
宗教教育の最高学府であるアズハル大学。
そして、世俗教育の総合大学であるカイロ大学。
文学部、法学部、経済学部、商学部、工学部、農学部、医学部、薬学部などがある総合大学です。
文学部には日本語・日本文学科もあるのです。
アラブ諸国はもちろん、イスラム圏からの留学生も多く、様々なバックボーンを持つ若者たちであふれる自由な学風です。
ピラミッドなどの古代遺跡があるエジプトの総合大学らしく、古代エジプト研究の中心的な大学で、考古学科には世界中からの留学生が集まります。
小池百合子の学歴詐称疑惑
文芸春秋に記事を寄稿したのは、ノンフィクション作家の石井妙子氏。
石井 妙子(いしい たえこ)
生まれ | 1969年(昭和44年) |
出身地 | 神奈川県茅ヶ崎市 |
学歴 | 白百合女子大学国文科卒業 白百合女子大学院修士課程修了 |
現職 | お茶の水女子大学女性文化研究センター・教務補佐員 (現・ジェンダー研究センター) |
その石井さんの元へ、カイロで小池百合子さんと同居していたという女性から次のような手紙が届いたといいます。
「私は小池百合子さんとカイロで、同居しておりました者です。
カイロ大学を卒業、しかも首席で、という肩書を掲げて小池さんは今日の栄光を勝ち得ましたが、彼女は実際にはカイロ大学を卒業していません」
つまり、カイロ大学で学んでいたことは事実だけれど、卒業はしていない。
卒業をしていないのだから、主席であるはずがないということです。
第1の疑惑
小池百合子氏は自らの著書の中で、カイロ大学時代のエピソードとして
「一年目は落第した」
とあります。
しかし、これは恥ずかしいことでも珍しいことでもなく、アラビア語は非常に難解な言語だそうで、
アラビア語圏以外から来た留学生にとって、まずはアラビア語をマスターして、専門書を読んだり、議論をすることが大きなハードルとなるようです。
日本人で最初にカイロ大学を卒業したのは、大東文化大学名誉教授・小笠原良治氏ですが、小笠原氏も7年かけて卒業しています。
問題は、落第したことではなく、小池百合子氏が主張する次の学歴
1972年10月 カイロ大学文学部社会学科に入学
1976年10月 カイロ大学文学部社会学科を首席で卒業
入学後4年で卒業しています。
あれ?
1年落第したのであれば、1977年卒業じゃないの?
あるいは、1年目にはいくつかの単位を取れずに落としたという意味で「落第」という言葉を使った可能性もあります。
しかし、1年落第しながらも、難解なアラビア語を使って、首席で卒業というのはあり得ないほどスゴイとはいえます。
それほどすごかったんだよ!
というアピールかもしれませんが。。。
第2の疑惑
石井氏が今回の文春で指摘したのが、小池百合子氏が公開した卒業証書。
小池百合子氏の著書に掲載された卒業証書とのコラージュ写真です。
これの何が怪しいのかというと、石井氏によると
ベールの裾の右下に、アラビア文字で「学籍番号」と書かれているのに、それに続いて書かれているべき学籍番号が書かれていない。
つまり、これは小池百合子氏の卒業証書ではなく、記入前のもの、あるいは見本のようなものではないかということでしょう。
第3の疑惑
2016年の都知事選で、学歴詐称疑惑を指摘された際に、小池百合子氏がフジテレビ「とくダネ!」で公開した「卒業証書」がこちら。
画像が不鮮明でわかりにくいのがイマイチですね。
著書に掲載されたものが本物ならば、同一のものでなければならないのだが、明らかな相違点があるといいます。
それが卒業証書の右上にあるロゴ。
左が著書にあった卒業証書、右が「特ダネ」で公開した卒業証書のロゴです。
確かにロゴの上部の襟のような部分が異なるように見えます。
そして、ここにも「学籍番号」は記載されていませんね。
第4の疑惑
次に小池百合子氏が公開したのが、「卒業証明書」
卒業証書は紛失することもあるので、大学が卒業した証拠として発行するのが卒業証明書です。
有名大学の卒業証書は偽造されることも多いようで、公的な証明能力としては、卒業証書よりも卒業証明書の方が強いものと考えられます。
本人写真に割り印が押されているが、写真の部分と紙の部分にずれがある。
印紙に押された割り印がとても薄い。
下部の2つあるスタンプが不鮮明。
などが疑わしい点として挙げられています。
文春の記事では、小池百合子氏よりも3年早く1973年にカイロ大学文学部を卒業した小笠原良治大東文化大学名誉教授の卒業証明書と比較しています。
確かに、小笠原氏の卒業証明書に押されたスタンプは、鮮明ですね。
しかし、不鮮明であるとか薄いとかいうことが偽造の証拠にはならない。
疑わしいといえば疑わしいし、手書きの書類のようなので、そういうこともあるかな?とも思えます。
さらに、卒業証明書のサイズが違うことにも言及しています。
たしかにこれは明らかに違います。
ただ、これも日本のようなキッチリした社会ならあり得ないけど、エジプトだったらたまたまその時に余っていた紙のサイズが違うということもあり得るのかな?とも思います。
総じて、確かに疑わしいけれど決め手に欠ける印象です。
小池百合子の弁明
この疑惑に対して、小池百合子知事は定例会見での記者からの質問に答えています。
東京都・小池百合子知事が定例会見(2018年6月15日)
20分30秒ごろから、カイロ大学に関する質問です。
卒業証書については
「卒業証書もあり、大学側も認めている」
と、明確に否定しています。
主席卒業については
「先生から『いい成績だった』と言われて、喜んでその旨を書いた」
これは?
つまり、「主席」ではなく「いい成績」ということ。
主席ではなかったということを認めていますね。
公職選挙法違反か?
一部では、経歴詐称で公職選挙法違反ではないか?とも言われています。
公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する
しかし、選挙公報には
「カイロ大学卒業」とは記載してあるが、「主席」とは記載していないので、卒業をしている限りは虚偽の記載には当たりません。
さて、卒業をしたのかどうか?
アラビア語通訳を務めていたことは事実で、PLO議長アラファトやリビアのカダフィの会見で、コーディネーター兼インタビュアーを務めたほどですから、優秀であったことは間違いありません。
個人的には苦労しながらなんとか卒業したのではないか?という気はしますが、有名人が学歴詐称をするのはよくあることで、海外の大学だと確かめようもないのも事実ですので、
もしかしたら、通訳の仕事が出来るようになったので、卒業しないで仕事を始めたという可能性もあるでしょう。
これも実はよくあることです。
いずれにしても、「主席」ではなかったことは確かなようですね。