杉山信雄の刑事罰・行政処分【逮捕される?】示談金は?

自民党の神奈川県議会議員がひき逃げ事件を起こしたことがわかりました。

悪質性はないものの、議員として社会人としての見識が疑われる行為に各方面から非難の声が上がっています。

 

杉山 信雄(すぎやま のぶお)

生年月日 1957年(昭和32年)8月2日
年齢 2018年5月現在、60歳
学歴 慶応義塾大学商学部卒業

神奈川県議会議員(5期目)

選挙区 川崎市川崎区
所属 自民党
初当選 1999年(平成11年)4月

2018年5月12日午前8時半ごろ

川崎市中原区で乗用車を運転していた杉山信雄県議。

交差点を左折する際に、自転車に乗って前から走ってきた男子高校生(15歳)と衝突。

高校生は自転車に乗ったまま転倒。

杉山信雄県議は、車から降りて高校生に声をかけます。

 

杉山県議

「大丈夫ですか」

高校生

「大丈夫です」

杉山県議

「警察、救急車を呼びましょうか?」

高校生

「いやいや大丈夫です」

 

幸いにも高校生は軽症だったようです。

しかし、自転車の前輪を確認したところ、動かない状況でした。

杉山県議

「自転車の修理代として使って下さい」

こう言って高校生に1万円札を手渡してその場を離れました。

その後、改めて高校生のご家族には謝罪をしました。

 

逃げなくても「ひき逃げ」

おそらくは高校生が軽症だったことと、「大丈夫です」と警察や救急車を呼ぶことを断ったのでその言葉に甘えたのでしょう。

もしかしたら、朝の8時半という時間帯でしたので、これから仕事に向かう要件があり急いでいたのかもしれません。

 

しかし、どんなに軽微なものであったとしても、警察に連絡せずにその場を離れると、「事故の不申告」ということで道路交通法違反にあたります。

逃げなくても、「ひき逃げ」です。

 

ちなみに、

人身事故を不申告で、その場を離れると「ひき逃げ」

物損事故を不申告で、その場を離れると「あて逃げ」

 

杉山県議の場合は、軽傷を負わせたうえに自転車が破損していますので、その両方になります。

そもそも相手は高校生ですので、道路交通法に詳しくない場合が多く、車と接触してしまった自分が悪かったのではないかと考えてしまうことも多いのです。

ケガも大したことないし、警察や救急車を呼ぶと時間もかかりそうだし面倒くさい。

大ごとにしたくないという心理も働き、「大丈夫です」と答えてしまうこともあるようです。

相手が未成年の場合には特にこういったことにも注意を払う必要があります。

 

いずれにしても、この場合は相手が「大丈夫です」「(警察や救急車は)必要ないです」と言っても必ず警察に連絡をして事故現場の検分をしてもらう必要があります。

警察の事故証明がないと保険がおりないという話は有名ですが、本来は保険のためではなく、後になって話の食い違いを防ぐために加害者側の立場を保護するためにも絶対に必要です。

免許を持っていれば知っていて当然なのですが、県会議員としてというよりも社会人としての常識に欠けた行為でした。

 

杉山県議はそのまま逃げるつもりだったのか

世間一般としては、「ひき逃げ」というと、人身事故をごまかしてそのまま行方をくらませるというイメージでしょう。

果たして杉山県議は、どうだったのでしょうか?

 

ネットでは、1万円を手渡してその場を離れたことから

「1万円を渡して示談成立と思っていたのか?」

と批判を受けています。

 

確かにそう思われても仕方ないところですが、事故後に高校生のご両親にお詫びをしたということですので、少なくとも高校生から連絡先を聞いていたことになります。

おそらくは、警察を呼ぶことを断られて、このまま返してはマズいと思い、修理費用として使ってもらうつもりで渡したのでしょうが、「口止め料」と受け止められてもやむを得ません。

 

普通であれば、警察を呼んだうえで、自分の連絡先なり名刺を渡して「後でご両親に連絡をします」と一声添えるでしょう。

杉山県議が自分の名刺を渡したかどうかは不明ですが、少なくとも、このままうやむやにして逃げようという気持ではなかったのでしょう。

 

そうであるならば、なおのこと。

キチンと警察に連絡して正しい手続きを踏むべきでした。

 

ひき逃げの刑事罰

ひき逃げは、道交法で定められた「救護義務違反」「報告義務違反」です。

 

具体的には「逃げた」ことではなく、

運転を止めなかったこと

負傷者を直ちに救護しなかったこと

警察に連絡しなかったこと。

 

このことについて

10年以下の懲役または100万円以下の罰金

が科されます

 

また、人身事故の場合は、「過失運転致死傷罪」が成立

7年以下の懲役または100万円以下の罰金

が科されます。

 

ひき逃げの場合には、この2つの併合罪となり、有罪判決を受けた場合には合計で

15年以下の懲役

となります。

 

さらに、飲酒運転や過剰なスピード違反などの危険走行によるものであった場合には、危険運転致死傷罪によって、より重い刑罰となります。

杉山県議の場合、その日のうちにご両親に謝罪をしており、被害者本人が救急車や警察を呼ぶことを断ったことなどから、悪質性はないと判断されるのではないでしょうか。

逮捕など身柄を拘束されるようなことはなく、仮に書類送検されたとしても、被害者のご両親との和解が成立していれば、処分保留となる可能性が高いと思われます。

 

ちなみに、「ひき逃げ」ではなく「当て逃げ」の場合の刑事罰は

1年以下の懲役又は10万円以下の罰金

ここまでは「刑事罰」ですが、それ以外にも運転免許に関して「行政処分」が科せられます。

 

ひき逃げの行政処分

違反の種類 点数 欠陥期間
ひき逃げ事故(救護義務違反) 35点 3年
ひき逃げ死亡事故 55点(35+20) 7年
轢き逃げ傷害事故 48点(35+13) 5年
酒酔い轢き逃げ死亡事故(飲酒運転) 90点(35+35+20) 10年
酒気帯び轢き逃げ死亡事故(0.25mg以上) 80点(25+35+20) 10年
酒気帯び轢き逃げ死亡事故(0.15~0.25mg) 68点(13+35+20) 9年
酒酔い轢き逃げ傷害事故(飲酒運転) 83点(35+35+13) 10年
酒気帯び轢き逃げ傷害事故(0.25mg以上) 73点(25+35+13) 10年
酒気帯び轢き逃げ傷害事故(0.15~0.25mg ) 61点(13+35+13) 8年

杉山県議の場合は、人身事故でしたので、

「轢き逃げ傷害事故」で、48点

 欠格期間は、5年

運転免許は取り消しとなり、今後5年間は再取得することが出来ません。

 

しかしながら、これは被害者が警察に人身事故の届け出をした場合です。

人身事故の届け出をする場合には、医療機関で診察を受けて診断書をもらう必要があります。

かすり傷程度の軽症で、後遺症の心配もない場合には、受診せずに「物損事故」のみで処分されることが多いのが現実です。

 

これも、被害者のご両親がどう考えるかで、怪我をした以上は診断書を取って人身事故の届け出を出せば、上記のような処分は免れません。

人身事故の届け出をしなかった場合は、「物損事故」つまり「当て逃げ」になります。

通常の物損事故の場合は、自転車の破損程度ならば行政処分を受けることはまずありません。

しかし、当て逃げとなると

安全運転義務違反 2点
危険防止措置義務違反 5点

合計7点で、「免許停止処分」となります。

 

期間は、行政処分歴によって異なり、行政処分歴がなければ、30日間の免許停止処分。

1日講習を受けることで、29日間短縮されて、講習を受けた当日のみの免許停止で翌日から運転することが可能になります。

やはり、必ず届け出ることは大事なのですね。

 

ひき逃げの民事責任

最後に被害者との間で民事上の責任を問われる場合があります。

これはケースバイケースですが、杉山県議のケースは軽傷ということですので、自転車の修理費用は最低限ですが、これだけのニュースになってしまったので、まさか手渡した1万円というわけにはいかないでしょう。

それでも、新品の自転車購入費用に、見舞金をプラスするという程度の額で、示談が成立するのではないかと思われます。

 

ひき逃げの検挙率

ひき逃げは絶対に割に合わないと思わせないと、加害者が申し出なくなってしまうので、刑事罰も行政処分も重加算しています。

しかし、何よりも「逃げてもつかまる」と思わせる検挙率が何よりの、ひき逃げ抑止力になるのです。

交通死亡事故に限定した場合、ひき逃げの検挙率は94%

さすがに日本の警察は優秀ですね、

 

しかし、重傷事故のひき逃げの検挙率は58%

そして、今回の杉山県議のケースのような軽傷事故のひき逃げ検挙率は、40%程度だそうです。

これだけ検挙率が違う理由は、ひき逃げ捜査に動員する人員や労力の違いです。

やはり死亡事故に対しては警察はメンツにかけて必死に捜査しますからね。

 

今回の杉山県議の場合は、事故を目撃した通行人が通報したことで発覚したようで、杉山県議はその日のうちに警察に呼ばれました。

もちろん、事実はすぐに認めたそうですが、返す返すも警察に連絡さえしておけば、こんな大ごとにはならなかったものを。

安全運転を肝に銘じましょう。


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