レオナ・ヘルムズリーの結婚と再婚【犬への遺産相続は合法?】

パレスホテルを始めとした多くの不動産を所有しながら「意地悪女王」との異名を持ち、愛犬に多額の遺産を相続させたということで大きな話題となった女性を知っていますか。

そんな女性の人生を振り返ってみたいと思います。

レオナ・ヘルムズリー(Leona Helmsley)

本名 リナ・ミンディ・ローゼンタール
生年月日 1920年7月4日生まれ
没年月日 2007年8月20日没
没年齢 87歳

不動産王を夫にもち、エンパイアーステートビルをはじめとするニューヨークの高級不動産、全米展開のホテルチェーンを運営しながら、徹底したドケチぶりで、短気、非情、強欲など、様々な悪評も。

人々は彼女をこう呼びます。

Queen of Mean(意地悪女王)

 

レオナ・ヘルムズリーの生い立ち

ポーランドからのユダヤ系移民を両親にもって生まれました。

父親は、ニューヨーク郊外で、家庭教師をしながら生活のために帽子職人をされていたようです。

貧しかったレオナの一家は転居を繰り返すこと6回。

レオナは、マンハッタン・リンカーン高校に進学しましたが中退しています。

 

この貧しかった子ども時代の経験がその後のお金への執着につながっているのでしょうか。

 

本名は、リナ・ミンディ・ローゼンタール。

この「ローゼンタール」というのはユダヤ人特有の姓で、仕事のために「ロバート」と改名してモデルや秘書として働いていたそうです。

 

レオナ・ヘルムズリーの結婚

レオナ・ヘルムズリーは、生涯で3度の結婚をしています。

 

1度目の結婚

1941年 弁護士のレオ・パンジレ(Leo Panzirer)と結婚。

ジェイ(jay)という男の子をもうけましたが、1952年に離婚しています。

 

2度目の結婚

1953年 衣類会社社長・ジョセフ・ルービンと再婚します。

前夫と離婚をした翌年ですね。

10年以上連れ添ったレオとの離婚の原因は不明ですが、もしかしたら、何らかの関係があるのでしょうか?

しかし、ジョセフとの結婚生活も、1960年に破綻して離婚します。

1度目が12年目、2度目が8年目での離婚ですので、短期間で離婚を繰り返すようなタイプではなかったようですね。

 

3度目の結婚

離婚後に、ニューヨークの不動産会社に入社したレオナ・ヘルムズリーは、不動産販売員として実績をあげて、順調に出世。

ついいには副社長にまで上りつめました。

1964年には、ホテル経営者となり、不動産業界で知られる顔になりました。

そして、資産50億ドルと言われた不動産王ハリー・ヘルムズリー(Harry Helmsley)に出会います。

ハリーはブルックリンの貧しい家に生まれながら、真面目に働き、法律家のビジネスパートナーとともに不動産ビジネスに進出。

1961年にはエンパイヤーステイトビルを買収するなど、不動産王として大成功を収めていました。

 

その生活ぶりは、仕事一徹の真面目な性格。

そのうえ、信心深く控え目という富豪らしからぬ謙虚な人柄だったといいます。

 

そんなハリーでしたが、レオナと出会ったときには既婚者でした。

そして、レオナと再婚するために、33年間連れ添った奥さんと離婚。

つまり、不倫の末の結婚ということでしょうか?

噂では、ハリーとの結婚を画策したレオナが、奥さんに二人の関係を吹聴して精神的に追い込み、離婚に追いやったという話もあります。

 

1972年、ハリー63歳、レオナ52歳での再婚でした。

ハリーは、レオナとの再婚後には、それまでの控え目な生活から一転して華やかな生活を送るようになり、以前のハリーを知る人たちは、その変わりように驚いたということです。

 

セレブ生活

エンパイアステートビル、ヘルムズリービルディング、パレスホテルなどのニューヨークの一等地の不動産を多数所有し、全米で23の高級ホテルのオーナーである、ハリー・ヘルムズリー氏。

そんなハリー氏と結婚したレオナは、1980年に、全米に30のホテルを有すヘルムズリー・ホテル・チェーンの社長に就任します。

徹底したサービス向上と、自らを「ホテルの女王」とする広告戦略が成功し、それまでのホテル稼働率を25%から75%にまで引き上げるという経営手腕は高く評価されました。

 

そんなレオナの、スーパーセレブな生活の一端が紹介されています。

住まいは、セントラル・パークを見下ろす一等地

室内プールと温室がついているという超豪華ペントハウス。

気候の良い、フロリダ州パームビーチに別宅。

フロリダからプライベートジェットでマンハッタンに通勤することもある。

 

フィリピンの大統領夫人イメルダマルコスの隠し財産が8億ドルだというニュースが世界中に流れたとき

「たった800ミリオン?私なんてもっとあるわよ!」

と言い放ったそうです、本当にすごいですね。

 

Queen of Mean (意地悪女王様)

レオナ・ヘルムズリーは、不動産王の妻でありながら、その短気でヒステリックな暴君ぶりから従業員からは「ホテルの女王」とともに、「Queen of Mean (意地悪女王様)」とも呼ばれていました。

ハリーと結婚した翌年の1973年には、フロリダの別宅で賊に襲われて刺され、入院もしています。

 

その意地悪女王ぶりを表すエピソードをいくつか紹介しましょう。

 

息子の家族を追い出す

1回目の結婚相手との間に設けたレオナの一人息子・ジェイ

彼は、ハリーの子会社の重役として働いていましたが、1982年に妻と4人の子供を残し喘息の発作によって40代にして亡くなっています。

レオナは息子の家族のために、レオナが所有していた豪邸で暮らしていましたが、息子の死後、その妻と孫たちを追い出してしまいます。

さらに、息子の遺産を相続する権利は当然、妻と子供たちにあるのですが、レオナは生前に息子・ジェイが母・レオナに多額の借金をしていたと主張して、裁判所に返還請求をします。

この請求が認められ、息子・ジェイの遺産は遺族である妻と子どもたちには全く残らなかったのです。

 

脱税容疑で逮捕

仕事でも非常に厳しいことで有名でした。

ちょっとした間違いをするとすぐに解雇する。

請負業者と売り主に対する支払いを訴訟で争う。

同性愛者であることを理由に解雇されたとして、元従業員から訴えられて、莫大な賠償金を支払う。

 

これらの訴訟をきっかけにして、経費の私的利用や脱税が発覚。

1986年 脱税と経費の私的利用の罪で起訴されます。

裁判ではその悪行ぶりが次々と暴露され、家政婦の証言が世間を騒がせました。

脱税の容疑をかけられたときに、家政婦に対して言い放った言葉が反感をよんでしまいます。

「税金なんて、小市民が払うものでしょう。」

「追徴金支払うぐらいなら、刑務所に行く方がましよ」

 

逮捕されたレオナは、170万ドルの脱税の容疑で16年間の服役が求刑され、裁判の結果、罰金と4の服役が課せられます。

最終的には、さらに減刑されて、19ヶ月の収監と社会奉仕を務めることになります。

 

慈善事業家としてのレオナ

1993年に服役を終えたレオナですが、晩年はそれまでの暴君ぶりから逆襲を食らう結果となります。

次々と不当解雇などで元従業員から訴訟を起こされ続け、莫大な賠償金を支払います。

 

さらに、追い打ちをかけたのが、夫・ハリーが病にふせるようになったこと。

ハリーの死期が近づいたことに気が付いた長年のビジネスパートナーたちからも、放漫経営を理由に訴訟をおこされたのです。

1997年 夫・ハリーが死去。

ヘルムズリー・スプリー社を含むハリーの全財産を相続すると、訴訟をおこしていたビジネスパートナーたちにヘルムズリー・スプリー社を売却します。

それでもまだまだ莫大な財産が残されたレオナは、慈善活動家として活動をするようになったのです。

 

病院建設などの寄付を始めとして、

911の同時多発テロの犠牲となった遺族や医療研究などには、合計で3500万ドル(約40億円)を寄付します。

その莫大な寄付金は、慈善信託によって管理され、レオナの死後は、その遺産の大半を占める40億ドル(4800億円)にものぼる保有株式が、慈善活動用の信託基金とされました。

 

やはり、アメリカの富豪は日本とはスケールが違い、最後に行きつくのは慈善活動となるのがパターンですね。

 

2007年 高級住宅街のコネチカット州グリニッジの豪邸で、その波乱に満ちた人生を終えました。

享年87

死因は、うっ血性心不全でした。

 

最期の言葉は

「わたしのおとぎ話は終わった」

 

愛犬が遺産相続

死してなおレオナが世間を騒がせたのは、その莫大な遺産の相続について。

レオナが亡くなったとき、その遺産を相続する権利を持っていたのは

弟 ヘルムズリー・ローゼンタール

4人の孫(息子ジェィの子)

ひ孫が12人

 

相続に関する法律は国によって異なりますので、参考までに日本の場合、相続の優先順位は

配偶者
子ども

兄弟

の順番で、孫やひ孫には相続権利はありません。

 

孫に相続をさせたい場合は、遺言書で指定をする必要があります。

レオナ・ヘルムズリーも、自分の遺産相続について遺言書を残していました。

 

その遺言書によると

遺産相続の最高額は、1200万ドル(約14億円)

ホテル王の遺産としてはずいぶん少ないように思いますが、その相続人。。。いや人ではない

相続をしたのは、レオナの愛犬「トラブル」

犬に14億円の遺産が相続されたのです。

 

弟 ヘルムズリー・ローゼンタールに、1000万ドル(約12億円)

ただし、愛犬の世話をすることが条件とされました。

 

孫4人のうち、2人には500万ドル(約6億円)

条件は、少なくとも年1回は父親の墓参りをすること。

 

のこり2人の孫は、0円。

理由は明かされませんでしたが、レオナの遺言書によると

「彼らも知っている理由により」

ということでした、

 

しかし、この遺言書を作成した当時、レオナ・ヘルムズリーは心神喪失状態にあったとして、親族が裁判所に対して、遺言の効力は無効であるとして提訴。

原告の訴えが認められて、遺産の相続額が変更になります。

愛犬「トラブル」はの1200万ドルから、200万ドルへ減額。

相続0円とされていた孫2人は、600万ドルと400万ドルの相続が認められました。

しかし、それでも200万ドルといえば、2億円以上であり、犬が2億円相続してどうやって使ったのでしょう?

 

フロリダ州サラソータにあるヘルムズリー・サンドキャッスル・ホテルのマネジャーがトラブルを飼育していたのですが、あまりに有名になってしまった故に、トラブルに対する誘拐の危険性は常にあり、その警備費が高額だったようです。

もちろん、グルーミングや食事代もけた外れなことは間違いありませんが、安全対策費用も含めて、トラブルのために年間10万ドル(約1200万円)が使われていたのです。

世界一の大金持ちの犬・トラブルは、2010年12月13日に12歳で死亡。

 

残された約200万ドルの遺産は、慈善信託基金に引き継がれました。

亡くなったトラブルは、火葬されて遺灰は個人の管理下に置かれているそうです。

 

レオナ・ヘルムズリーの遺言書には、次のような一文がありました。

「トラブルと同じ墓に埋葬すること」

しかし、レオナ・ヘルムズリーが埋葬されているニューヨーク郊外の墓地は、動物の埋葬を禁止しています。

最期の願いは未だかなっていません。

 

ペットへの遺産相続

ペットに財産を相続させるのは、日本では法的には不可能だそうです。

どうしてもペットに財産を残したいのであれば、後見人を指定してその人に財産を相続させるという手段になるようです。


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