物忘れとボケ(認知症)の違い。昔のことは思い出せるのに・・・はどっち?

若者だって物忘れの激しい人はいます。

しかし、ある程度の年齢になって以前と比べて物忘れがひどくなると、「これがボケの始まりか?」「アルツハイマーなのかも」と不安になってしまいますよね。

5月10日放映の「ホンマでっかTV」で泉ピン子さんのの物忘れについての相談がありました。

ご本人も「ボケなのか?」と不安になることがあるでしょうが、加齢による物忘れとボケ(認知症)とは別物です。

別物ではありますが、素人にはその違いが分かりにくい。

何となく不安を抱えたままストレスをためたり、認知症治療に踏み出せなかったりしがちです。

そこで、物忘れと認知症の違いについてまとめてみました。

 

認知症と物忘れを見分け方

典型的な例として、食事についての忘れ方で比較してみましょう。

 

お昼ごはんに食べたものが思い出せない

「今日のお昼ご飯は何を食べたの?」

「え~と。。。何だったっけ?お蕎麦?じゃない、あれ????」

「もう~ついさっきのことじゃないの!」

「本当にね~、どうしちゃったんだろう。ボケたのかな~」

 

この例は「物忘れ」 認知症ではありません。

ポイントは

  • 物忘れを自覚している
  • 体験したことの一部を忘れる
  • ヒントがあれば思い出す
  • 日常生活に支障はない
  • 判断力は低下しない

 

お昼ご飯を食べたことは記憶しています。

そして自分がボケてしまったのではないかという不安を抱くのは物忘れが激しいという自覚があるからこそです。

 

他にも、「うっかり時間を忘れてしまう」「印鑑をどこにしまったか忘れて探している」などは認知症の症状ではありません。

 

お昼ごはんを食べたかどうかが思い出せない

「今日のお昼ご飯は何を食べたの?」

「まだ食べていないよ」

「え?もうこんな時間になっているのに?何で?」

「何でかな~。でも食べていないんだよ」

 

この例は「認知症」の可能性があります。

ポイントは

  • 物忘れの自覚がない
  • 体験したこと自体を忘れる
  • ヒントがあっても思い出せない
  • 日常生活に支障がある
  • 判断力が低下する

認知症になると自分が体験したことの詳細ではなく、体験したかどうか自体が記憶から抜けてしまうのです。

何日も前の話ではなく、例えば今日ご飯を食べたかどうかがわからない、さっき人に会ったのに覚えていないなど、直前の体験を忘れてしまう場合は認知症の可能性があります。

 

認知症と物忘れの記憶システムの違い

記憶は、

  • 記銘(情報を学習し覚える)
  • 保持(情報を記憶として蓄える)
  • 再生(情報を思い出す)

の三段階からなっています。

加齢による物忘れでは、この3段階のうち最後の段階である「再生」の機能が低下することで、覚えたことを思い出せないようになるのです。

対して、認知症では、この3段階のうち最初の段階である「記銘」が出来なくなってしまいます。

「お昼ご飯を食べたこと」自体をそもそも覚えていないので、「保持」「再生」の段階に至るはずがないわけです。

言ってみれば、「物忘れ」ではなく、「始めから覚えていない」のです。

同じような物忘れ症状でも、次のような違いに注意してください。

物忘れ 「約束の日時を忘れた」

認知症 「約束などしていない」

 

よく「昔のことはよく覚えている」という認知症の方もいらっしゃいます。

認知症は「記銘」の機能が低下しているのですが、「再生」の機能は衰えていない場合もあり、そのようなケースだと昔のことはすでに「記銘」「保持」していあるので、「再生」機能さえ低下していなければよく思い出せるのです。

同じような理由で、楽器や裁縫、家事など以前に身につけた技能は再生することが可能です。

技能を通した手続き記憶は障害されづらいとも言われています。

認知症チェック項目

「公益社団法人認知症の人と家族の会」まとめた認知症早期発見の目安を挙げておきます。

医学的な診断基準ではありませんが、思い当たることがあれば、専門家に相談してみるとよいでしょう。

  • 物忘れがひどい

1.今切ったばかりなのに、電話の相手の名前を忘れる
2.同じことを何度も言う・問う・する
3.しまい忘れ置き忘れが増え、いつも探し物をしている
4.財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う

  • 判断・理解力が衰える

1.料理・片付け・計算・運転などのミスが多くなった
2.新しいことが覚えられない
3.話のつじつまが合わない
4.テレビ番組の内容が理解できなくなった

  • 時間・場所がわからない

1.約束の日時や場所を間違えるようになった
2.慣れた道でも迷うことがある

  • 人柄が変わる

1.些細なことで怒りっぽくなった
2.周りへの気遣いがなくなり頑固になった
3.自分の失敗を人のせいにする
4.「この頃様子がおかしい」と周囲から言われた

  • 不安感が強い

1.一人になると怖がったり寂しがったりする
2.外出時、持ち物を何度も確かめる
3.「頭が変になった」と本人が訴える

  • 意欲がなくなる

1.下着を替えず、身だしなみを構わなくなった
2.趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった
3.ふさぎ込んで何をするのも億劫がりいやがる

一緒にいて、「おかしいな。」と思うことがあったら、日時と詳細をメモに取って、明らかに以前と違う様子であれば専門機関に相談してみてください。


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