フェアリーサークルはなぜできるのか?【ナミビア砂漠の謎】

2018年4月15日

南西アフリカ・ナミビアのナミブ砂漠にある、「フェアリーサークル」と呼ばれるミステリーサークルをご存知でしょうか。

フェアリーサークルはナミブ砂漠には無数に存在し、原住民の多くは今でも、「神の足跡」「ドラゴンが地中に住んでいる」などの神秘的な超常現象と考えられていました。

それにしてもものすごい数です。

一体どんなメカニズムでこれらのサークルは作られるのでしょうか?

近年になって、様々な研究がされるようになりました。

 

フェアリーサークル

ナミビアの砂漠で発見されたフェアリーサークルは、草原と砂漠が交差する場所で見られます。

草原の中に草が生えていない土壌がむき出しになった部分があり、その周りにだけ高草が生え、ミステリーサークルを作り出します。

その大きさは、小さいもので2m、大きいものになると35mにまでなるものもあり、数百万ものサークルが砂漠に広がっているのです。

これまでに多くの研究家が唱えた説がありましたが、どれも決め手に欠けています。

 

◆ガス説

地中から発生するガスによってフェアリーサークルが作られているという説。

プレトリア大学の研究によると、フェアリーサークルの植物が生えていない部分の土を採取して植物の種を植えても、植物が育ちませんでした。

詳しく分析した結果から、地中から発生したガスが植物を育たなくしているとしています。

 

◆ダチョウ説

異色の説としては

ナミブ砂漠に数多く生息するダチョウが休息を取るために植物の上に座り込むことによって、ダチョウが座り込んだ部分だけ植物が育たなくなるという説です。

この説を支持する科学者はほとんどいないとされていますが。。。そうでしょうね。

 

◆自己組織化する植物説

ナミブ砂漠の年間降水量は20~50mmという乾燥地帯。

砂漠特有の乾燥気候により、植物が水資源を奪い合うことが原因でフェアリーサークルが発生するのではないかとする説です。

 

ケープタウン大学の植物生理学者であるMichael Cramer博士によると

丈夫な植物が地中にある水分を吸い上げることで貧弱な植物は枯れてしまう。

枯れた植物が生えていた場所の地下には、周囲より多くの水がたまり、周囲には丈夫な植物だけが成長することになる。

 

丈夫な植物が密集して限られた水分を奪い合わないように、フェアリーサークルは重なることがなく、一定の間隔をおいて発生するとしています。

ヘルムホルツ環境研究所の生態学者・Stephan Getzin博士によると、空から調査するとフェアリーサークルの発生位置には規則性があることがわかるといいます。

 

しかしこの説では、なぜフェアリーサークルが出現した後に無くなったり、似たような環境の別の場所では発生しないのかを説明することができませんでした。

 

◆シロアリ説

最も有力とされていたが「シロアリ」

ハンブルク大学の生態学者・ノルベルト・ユルゲンス博士によると

 

ナミブ砂漠を40回訪れ、1200個以上のフェアリーサークルを調査したところ、ファミリーサークルが発生している場所では、シロアリの1種であるPsammotermes allocerusが生息していることがわかりました。

シロアリは植物の根っこを食べる習性を持ち、行動範囲にある植物の根っこを全て食べてしまうとのこと。

 

根っこが食べられたことで、水を吸い上げる植物がないことから地下には雨水がたまります。

この雨水を根っこを食べられなかった植物が吸い上げて成長するので、フェアリーサークルが発生する、というのがユルゲンス博士の説です。

 

有力な説であるとされましたが、この説では、なぜ周りの植物だけが背が高いのか説明がつきませんでした。

フロリダ州立大学の生物学者・Walter Tschinkel博士によると

「フェアリーサークルとシロアリには高い相関性がありますが、原因がシロアリであるという証拠はありません」

 

◆現在の最有力説

どれも決め手に欠ける説ですが、実は「自己組織化する植物説」と「シロアリ説」の2つを組み合わさることで、これまで説明が出来なかったことが説明ができることがわかりました。

ストラスクライド大学の准教授・Juan A. Bonachela氏によると

 

まず、シロアリが植物を食べて土壌をむき出しにします。

それにより、シロアリが生きるために必要不可欠な水分が地中に蓄積されます。

この水分によって、周辺の植物は背高く育ちます。

 

そして、この地球に蓄えられた水分を求めた激しい生存競争を繰り広げて、一定の間隔をおいてフェアリーサークルが発生するという説です。

そして、シロアリが他のコロニーとの重複を避けながらも、できる限り遠くまで進もうとした結果、草が生えない部分が円い形になるのではないかと考えられています。

 

世界中にある謎のサークル

同じようなサークルは、世界中に存在します。

北アメリカのMima Mounds

ブラジルのMurundus

南アフリカのHeuweltjies

オーストラリアのフェアリーサークル

ナミビアでの研究結果は、世界中の同じような現象の謎を解き明かすかもしれません。


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