台湾大地震【手抜き工事で倒壊しやすい?】過去の大地震でも大きな被害

2018年2月6日午後11時50分(日本時間7日午前0時50分)ごろ

台湾東部の花蓮近海を震源とする強い地震が発生した。

米地質調査所(USGS)によると、

地震の規模はマグニチュード(M)6.4。

震源は花蓮から北北東に22キロ沖

地震の深さは10.6キロ

この地震により、花蓮市内では倒壊した建物に閉じ込められた人が続出し、2人が死亡し、200人以上が負傷したとのことです。

倒壊したホテルには、複数の日本人が宿泊していたが、全員が救出されたそうです。

台湾といえば日本に劣らぬ地震多発地帯にあり、過去にも大地震で大きな被害が出ています。

 

921大地震

1999年9月21日

台湾時間の1時47分18秒(日本時間2時47分18秒)に発生。

台湾中部の南投県集集鎮付近を震源として発生した、台湾では20世紀で一番大きな地震。

震源の深さ 8km
規模 モーメントマグニチュード(Mw)7.6
最大震度 震度7
地震の種類 直下型地震
死者 2415人
行方不明者 29人
負傷者 11,305人

台湾南部地震

2016年2月6日、台湾時間午前3時57分

台湾南部の高雄市を震央として発生。206大地震とも呼ばれる。

震源の深さ 14.6km
規模 リヒターマグニチュード(Ml)6.6
最大震度 震度7:台南市新化
地震の種類 横ずれ成分含む逆断層型
死者 117人
負傷者 551人

 

大地震のたびに問題となるのが、ビルなどの大きな建物の倒壊。

日本でも阪神淡路大震災で手抜き工事が問題となり、建築基準法改正を経て、世界一厳しい基準が定められています。

一方、台湾の建築事情はどうなっているのでしょうか?

 

手抜き工事で逮捕

2016年の台湾南部地震では、マンションやビルなど9棟が倒壊し、5棟が傾いて住民に大きな被害がでました。

例えば、倒壊した16階建てビル「維冠金龍大樓」

このビルは、柱などの中に複数のサラダ油や塗料の缶が埋め込まれているのが見つかりました。

 

明らかな手抜き工事で、台湾検察当局はビルの建設を担当した会社の元社長ら幹部3人を業務上過失致死容疑で逮捕しました。

しかし、工事の詳細については

「もう忘れた」

「20年以上前のマンションだから倒れても仕方ない」

 

ビルの補強用の鉄筋が、構造計算書に記された量の半分しか使われていないなど、設計図と実際で構造が異なっていることがわかりました。

 

台湾の建築基準法

台湾の建築物は、日本のような木造建築ではなく、RC造や煉瓦等による組積造による建築物が多い。

もちろん台湾にも建築基準法がありますし、日本で阪神・淡路大震災後に設けられた「中間検査制度」を参考に建築基準法を改正する考えで検討しているようです。

地震国としての危機感は間違いなくあるのです。

 

しかし、コンクリートの柱や外壁の中には、工事で使用した空き缶やゴミなどが埋め込まれているという手抜き工事は、台湾では手抜きと思われていないほど横行しているといわれています。

ゴミをその場で地面や柱の中に埋めて処分するのは、ゴミ処理の方法の1つとして定着している。

ゴミだけでも大変なことですが、中にはトイレとして利用してそのまま埋めてしまうことも多いとか。

 

台湾の市街地にあるビルは、ほぼ100%違法建築であると断言する建築関係者もいます。

つまり建築基準法はあるけれど、守られてはいないというのが現実なのです。

 

例えば、台湾ではビルの下に歩道が通っている事が多くあります。

ビルの敷地の一部を補導として提供しているのかと思いきや。

実は、ビルの下に歩道があるのではなく、歩道の上にビルを増築している違法建築らしいのです。

日本でも、例えば大阪には増改築による違法建築物が多いことが指摘されていますが、歩道の上にビルを作るとはすごい発想です。

 

もちろん施工業者はそんなことは百も承知。

それでも、違法建築物であっても売買によって所有者が変われば、買主には改善する義務はなく、さらに売り主も自分の所有権がなくなった時点で責任を問われなくなるのだとか。

細かい法律上のことでいえば、間違った理解なのかもしれませんが、実質的にそのような運用がされているのは事実で、違法建築が野放し状態だそうです。

こうした欠陥建築がすべて安全な建物に変わるには、何年かかるのでしょうか。

 

台湾の建築法体系は、日本の建築関連法規を手本にして作成されているようで、比較してみると一致している点が非常に多くあります。

 

台湾の建築物事情

日本が新耐震基準を採用したのは1985年で、それまでの建築物を旧耐震と呼んで、区別をしています。

その後、阪神淡路大震災を経て、2000年にさらに大規模な改正が行われました。

 

大きな被害を出した東日本大震災ですが、建物の倒壊は木造建築物に集中していて、新耐震基準で設計された建物は、クラックや、コンクリート落下などはみられたものの、主体構造の被害はほとんどありませんでした。

 

台湾が耐震基準の見直しを行ったのは1998年です。

その後も、2010年には災害対策法修正法が成立するなど、法的な整備は進んでいますし、公共物などは古い建築物の耐震補強工事などが進んでいるといいます。

 

しかし、古い民間の建築物については非常に危険な建築物が多く、その運用面でまだ大きく遅れている。

 

そういえば、台湾には 509.2 mという超高層ビルである台北101があります。

大丈夫なのでしょうか?

実は、台北101を施工したのは、日本の熊谷組を含むジョイントベンチャーで、耐震に関しては十分に配慮。

TMD(振り子方制震装置)など最先端の耐震技術が駆使されています。

このような建築物を手本として補強工事などが進んでいくことといいのですが。

 

犠牲者を追悼するとともに、1日も早い復興を祈ります。


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