ABC予想とは?日本一簡単に解説【望月新一教授の快挙】

長年にわたって世界中の研究者を悩ませてきた数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文が、国際的な数学の専門誌に掲載される見通しになった。執筆者は、京都大数理解析研究所の望月新一教授(48)。今世紀の数学史上、最大級の業績とされ、論文が掲載されることで、その内容の正しさが正式に認められることになる。

(朝日新聞デジタル)

望月 新一(もちづき しんいち)

生年月日 1969年(昭和44年)3月29日
年齢 2017年12月現在、48歳
出身地 東京都世田谷区
出身校 プリンストン大学

父の仕事の都合でニューヨークで育った望月新一さん。

フィリップス・エクセター・アカデミーで2年間学び、なんと16歳でプリンストン大学へ飛び級で入学。

プリンストン大学は、全米で8番目に古い歴史を持ち、41人のノーベル賞受賞者、14人のフィールズ賞受賞者を輩出する名門大学です。

この名門大学を次席で卒業したのが19歳。

さらに、23歳で博士課程を修了しました。

やはり天才なのですね。

23歳で日本へ帰国。

京都大学に助手として採用されると、27歳で助教授、32歳で教授へとステップアップしていきました。

研究業績

研究機関 京都大学数理解析研究所
指導教員 ゲルト・ファルティングス
主な業績 数論幾何学、遠アーベル幾何学
主な受賞歴 日本数学会秋季賞(1997年)
日本学術振興会日本学術振興会賞(2005年)
日本学士院日本学士院学術奨励賞(2005年)

 

望月新一さんは結婚している?

研究一筋の人生を送ってきたのでしょうか、望月新一さんは現在も独身のようです。

 

ABC予想とは

1985年に Joseph Oesterle と David Masser により提起された数論の予想。

どんな問題なのかを理解すること自体が難解な問題ですが、私の理解している範囲で解説します。

お互いに1以外の共通の約数がない3つの自然数に次の関係があるとき

A+B=C

A、B、Cそれぞれの素因数を全てかけた数を

r(ABC) とします。

r(ABC)を2乗した数はCよりも大きい。

 

わかりにくいので、具体的な数をあてはめてみましょう。

A=1,B=8,C=9で考えましょう。

お互いに共通の約数もなく、

1+8=9

ですから、A+B=Cが成り立っています。

この3つの数の素因数を考えます。

※素因数とは、その自然数を素数の掛け算になおしたときの素数です。

1の素因数は1

8=2×2×2なので、素因数は2

9=3×3なので、素因数は3

つまり、

r(ABC)=1×2×3=6

この段階ではまだCである9よりも小さいですね。

 

実は、

r(ABC)<C

となる自然数の組み合わせはとても少ないのです。

例えば

1+2=3

r(ABC)=1×2×3=6

あるいは、

2+3=5

r(ABC)=2×3×5=30

ほら、Cよりも大きくなるでしょ?

 

しかし、r(ABC)を2乗(同じ数を2回かける)すると

6×6=36

これはCである9よりも大きくなっていますね。

 

このように、r(ABC)を2乗すれば必ずCよりも大きな数になるだろうという予想が、ABC予想をきわめてざっくりと説明したものです。

専門の数学者から見たら、突っ込みどころ満載で「ふざけるな!」といわれそうな説明ですが、お許しあれ。

 

望月新一教授の証明は正しいのか

提起されて30年以上も経過して証明されようとしているABC予想。

提起されてから証明するまでに350年もの歳月を要した「フェルマーの最終定理」と比べれば短期間で証明されたということになるのでしょうが、

「フェルマーの最終定理」「ポアンカレ予想」とならぶ快挙だということです。

望月教授が証明に成功したと発表したのが、2012年のこと。

すでに5年以上が経過していますが、これはこの証明が本当に正しいかどうかを、専門の数学者たちが「査読」を続けてきたからです。

望月教授の証明方法は、従来の手法とは全く異なる「宇宙際タイヒミュラー理論」という独自のもので、その手法を理解するところから始まります。

なんでも、望月教授の証明を読める人、つまり何が書いてあるのかを理解できる人は、発表された当時、世界でほんの数人だといわれていました。

5年の歳月を経て、国際的な認知度がある専門誌に掲載されるということは、その証明が正しいということが認められたということです。

今後さらに、掲載された論文を読んだ数学者が検証を進めるのでしょうが、大きな前進であることは間違いないようです。

 

ABC予想で何が変わるのか?

問題は「ABC予想」の証明によって何が変わるのか?

17世紀中ごろに提起され、1995年に証明するまでに350年もの歳月を要した「フェルマーの最終定理」もより簡単に証明可能だということです。

数学では証明をする際により簡潔に、スマートに証明できるものの方が価値が高いので、これは数学界にとって大きな進歩といえるようです。

 

リーマン予想との関連

今回の快挙によって、数学界最大の未解決難問とされる「リーマン予想」への期待も高まるところですが、ABC予想の解決が直接的にリーマン予想の解決に役立つということはどうやらまだない?

いや、わからないといったところのようです。

今後の望月新一教授の研究に期待したいですね。


PAGE TOP