日本カビ(カンジダ・アウリス)の症状、治療法。致死率は60%?槇村浩一教授が発見

2009年に日本人研究者が発見した、新種の真菌(カビ)「カンジダ・アウリス」(通称・日本カビ)が、欧米やアジアで真菌感染症として初めてのパンデミック(世界的流行)を引き起こしていることが分かりました。

抵抗力の弱い入院患者が死亡する事例も報告され、警戒が必要だ。

(出典:産経新聞)

日本カビを派遣した日本人はこちらの方です。

槇村 浩一(まきむら こういち)

帝京大大学院医学研究科教授

出典:www.teikyo-u.ac.jp

 

学歴

大学 1990年(平成2年) 東京医科大学 医学部 医学科卒業
大学院 1994年(平成6年) 帝京大学 大学院 医学研究科卒業

経歴

2011年(平成23年) 帝京大学 大学院医療技術学研究科・教授
大学院医学研究科宇宙環境医学・教授
2012年(平成24年) 帝京大学 医療共通教育センター・主任・教授
2013年(平成25年) 帝京大学 アジア国際感染症制御研究所・教授
2014年(平成26年) 帝京大学 医療共通教育研究センター・主任・教授

カンジダ・アウリス(日本カビ)の発見

槇村浩一教授は、2017年に70歳の女性患者の耳漏(耳だれ)から、「カンジダ・アウリス」(日本カビ)発見しました。

出典:産経新聞(槇村浩一提供)

日本で発見された「カンジダ・アウリス」(日本カビ)は、病原性が低く、抗菌薬に対する耐性も示さなかったのですが、実は海外では同種のカビが猛威を振るっています。

 

「カンジダ・アウリス」(日本カビ)が発見されたのは、

アメリカ、イギリス、コロンビア、インド、イスラエル、ケニア、クウェート、パキスタン、南アフリカ、韓国、ベネズエラ

これらは日本から持ち込まれたものではなく、元々当地にあったものだと考えられています。

 

治療薬が効かないカンジダ・アウリス(日本カビ)

海外で発見された「カンジダ・アウリス」(日本カビ)が恐ろしいのは、治療薬が効かない耐性を持っているということです。

現在カンジダ症の治療に用いられている抗真菌薬は次の3種類

アゾール系、エキノキャンディン系、ポリエン系

ほとんどのカンジダ・アウリスは「エキノカンジン」と呼ばれる抗真菌剤で死滅します。

 

ところが、カンジダ・アウリス(日本カビ)は、アメリカでの研究によると、

90%以上の株が、治療薬への耐性を獲得。

50%の株が、2種類以上の抗菌薬への耐性を獲得。

4%の株が、全ての抗菌薬への耐性を獲得。

つまり、4%はすべての抗菌薬が効かない、治療方法がないということです。

 

そのため、海外では感染者の死亡例も報告されています。

たかがカビと軽く考えてはいけません。

日本ではまだ耐性化はされた「カンジダ・アウリス」(日本カビ)は認められていませんが、海外から持ち込まれる可能性は高く、それを防ぐ具体的な手段は、現在ありません。

 

カンジダ・アウリス(日本カビ)の感染経路

従来のカンジダは接触感染により感染すると考えられています。

具体的には、血流感染、傷感染、耳感染。

肺感染、膀胱感染が起こるかどうかは不明です。

 

カンジダ・アウリス(日本カビ)は、これまでに報告された感染例の多くは、医療機関での院内感染です。

感染しやすい例としては

  • 外科治療を受けたばかりの人
  • 糖尿病患者
  • 抗生物質、抗真菌剤による広範な治療をしている人
  • 中心カテーテル使用者
  • 長期入院患者の中で、免疫力が低下している患者

年齢による差異はなく、すべての世代に感染者が見られます。

汚染物の除去、患者隔離などの徹底した管理を行わない限り、院内感染を防ぐことは難しいとされています。

参照 : http://www.cdc.gov/fungal/diseases/candidiasis/candida-auris-qanda.html

 

カンジダ・アウリス(日本カビ)の症状

従来のカンジダの場合、感染者は健康であれば発症しませんが、体調不良、過労、ストレス、栄養不足などで免疫力、抵抗力の低下によって、症状が現れます。

主な症状としては、

腔カンジダ症

  • 腔に白いコケのようなものができる
  • 腔粘膜が赤くなる
  • 飲食時に舌にヒリヒリした痛みがでる
  • 角が切れる
  • 苦味を感じる

皮膚カンジダ症

  • 紅斑
  • 小膿疱
  • 痒み

性器カンジダ症

  • 強いかゆみ
  • おりものの異常
  • 膣口、亀頭が赤く炎症する

 

しかし、カンジダ・アウリス(日本カビ)については、具体的にどのような症状が現われるのか、いまだにわかっていません。

どのような症状があらわれて、どのように死に至るのか、その死因さえもはっきりとしないケースが多いといいます。

 

カンジダ・アウリス(日本カビ)の死亡率・致死率

抗菌薬に対して耐性を有する「カンジダ・アウリス」(日本カビ)の感染者の約60%が死に至ると言われています。

しかし、これはアメリカで調査報告がされた7人の感染者のうち4人が死亡したことによります。

症例数が極端に少なく、まだデータとして信頼できる数値とは言えません。

 

しかし、致死率60%というのは極めて高い数値です。

一時期大騒ぎとなった鳥インフルエンザ以上の致死率になりますので、警戒を要することには変わりありません。

 

韓国では、患者が敗血症で死亡する事例が報告されています。

敗血症は死に至る可能性が高い非常に恐ろしい病気です。

 

<関連記事>溶連菌による敗血症

 

カンジダ・アウリス(日本カビ)の対策

現在、日本国内では耐性化された「カンジダ・アウリス」(日本カビ)は発見されていませんが、いつ耐性化が発見されないとは限りません。

また、海外で手術を受けるなどして感染した方が日本に入国して感染を広める可能性も排除できません。

 

では、私たちはどのように対策をすればいいのでしょうか?

残念ながら現在のところ、感染を防ぐ具体的な対策方法はありません。

医療機関での院内感染が多いといわれていますが、病気になって病院に行かないわけにはいきませんし、必要な手術を受けないわけにはいきません。

当たり前のことですが、健康な状態、免疫力は抵抗力の高い状態を保つことが唯一の対策となります。

今後、槇村教授をはじめとした世界中の研究者の研究が進んで、全容が解明されて治療法が見つかることを願っています。


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