殺人ダニの恐怖。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?マダニに刺された、噛まれた場合の対処法。症状や致死率も。

暑くなってくると様々な外注も活発に活動するようになります。

日頃からケアしておきたいところなのですが、ここ数年、ダニにかまれて死亡する方がいるとの情報を聞きました。

ダニって、あの布団とかにいる小さいやつ?

あれにかまれて死ぬってどういうことでしょうか?

詳しく調べてみました。

殺人ダニの正体

噛まれると死に至ることもあるという恐怖の殺人ダニは

マダニ

出典:www.niid.go.jp

マダニは、食品等に発生するコナダニ、衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとでは全く種類が異なります。

また、植物の害虫であるハダニ類とも異なります。

日本では18種類のマダニがいるそうですが、

体長は、3~4mm

固い外皮に覆われています。

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)血を吸うそうです。

恐ろしいですね~。

そして、長期間にわたって血を吸い続けると、こんな姿になるそうです。

出典:helthcare.com

右は元の姿。左が血を吸い続けた後の姿です。

 

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

そして、このマダニに噛まれることで、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症することがあり、これが重症化すると命の危険に見まわれてしまいます。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年に中国で原因不明の感染症患者の病理組織から抗原と核酸が病原体と特定された、新しいウイルス[SFTSウイルス(SFTSV)]によるダニ媒介性感染症です。

 

感染者

日本でも、2005年秋~2015年3月までに、感染者が100名以上いたことが報告されています。

いずれの感染者も西日本に集中しています。

中国では、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者の年齢層は30~80歳代で、全患者の75%が50歳以上との報告があります。

日本でこれまでに確認されたSFTS患者の年齢層は、40~90歳代で、全患者の約95%が50歳以上となっています。

出典:www.niid.go.jp2

 

感染源

犬や牛、シカなどの動物が感染し、感染した動物の血を吸ったマダニを経由して感染すると考えられている

また、体液の接触により人から人への感染も報告されています。

飛沫感染や空気感染は報告されていないようですし、動物の肉や乳などを食べたことによって、SFTSに感染したという事例の報告はありません。

マダニから人に感染する場合は、SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染することがほとんどのようです。

マダニの活動期が春から秋にかけてなので、患者もその季節に多く発生しています。

困ったことに、マダニに噛まれたことに気がつかないで過ごしている間に重症化することもあるようです。

マダニのSFTSウイルス保有率は5~15%とされていますが、西日本はそれよりも高く、場所によっては30%を超える地域もあるそうです。

 

症状

SFTSウイルス(SFTSV)の潜伏期間は、6日~2週間

感染すると、次のような症状が現れます。

主な症状

  • 原因不明の発熱
  • 消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)

その他の症状

  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)
  • リンパ節腫脹
  • 呼吸不全症状
  • 出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)

似た症状としては、胃腸炎がひどくなったような症状に似ています。

胃腸炎かな?と思っても、急激に症状が悪化して自力で動け回れなくなってしまうようなことになったら、SFTSを疑ってください。

 

医療機関で検査を受け、次のような所見が出た場合は、感染した可能性が高いようです。

  • 小板減少(10万/mm3未満)
  • 白血球減少
  • 血清電解質異常(低Na血症、低Ca血症)
  • 血清酵素異常(AST、ALT、LDH、CKの上昇)
  • 尿検査異常(タンパク尿、血尿)

 

重症化した場合には、血球貪食症候群という恐ろしい疾患が起こることもあるそうです。

血球貪食症候群とは

免疫細胞が暴走し、自らの血球(とくに血小板)を食べてしまう病気である。きわめて重篤な致死的疾患である。突然健常者におこることもある。ウイルス由来が70%を占め, 致死率は52%。

 

特に高齢者、または心臓や肺に持病がある方などは重症化しやすいため、集中治療室(ICU)での治療が必要となる可能性もあります。

 

致死率

致死率は6.3~30%と報告されています。

30%というと、約3人に1人ですからかなりの数値ですね。

しかし、これはまだ調査が不十分で重篤な患者が中心に調査が行われていたことによるもののようです。

軽症者も含めた調査が進んだ結果、直近の報告では致命率6%程度とされています。

それでも、恐ろしい疾患には変わりありませんが。

 

治療法

SFTSウイルスは酸や熱に弱く、消毒用アルコールや台所用洗剤、紫外線の照射によって急速に失活すると考えられているのですが、治療法の決め手とはなっていません。

現状としては、治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。

また、マダニに噛まれたことがわかったとしても、その時点でSFTSの発症を予防できるような対処法はありません。

出来ることは、2週間以内に症状が少しでもでたら、速やかに医療機関で受診することだけです。

 

対処法

対処法はただ1つ

マダニに噛まれないこと

草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、服装に注意しましょう。

 

長袖・長ズボン

出来れば、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れるといいです。

足を完全に覆う靴

サンダルなど、素足が露出するようなものはNGです。

帽子、手袋、ネックガード(タオルでもOK)

 

肌の露出を極力少なくすることがポイントです。

 

また、マダニを目視で確認しやすいように、明るい色の服がおススメです。

 

噛まれやすいのは、汗が溜まる部分。

わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などのようです。

 

DEET成分が含まれた虫除け剤で、防げるということではないようなのですが、ないよりはあった方がいいようです。

 

マダニに噛まれたら

もしも、マダニが噛み付いて離れない場合は、ピンセットで根本を掴んでまっすぐに引き抜くことではずれるようです。

ただし、強く引っ張るとマダニの一部が外れて、体内に残ってしまい、化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるといいます。

怖いですね。

結論としては、無理にはずさないで、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらうのがいいようです。

 

マダニが原因となる他の病気

困ったことに、マダニは多くの感染症を媒介することがわかっています。

例えば代表的なものとしては

  • 日本紅斑熱
  • ライム病

 

また、マダニではありませんが、ダニの一種であるツツガムシによって媒介される、つつが虫病もあります。

これらの病気は基本的には抗菌薬で治療可能ですが、重症化したり死亡したりすることもあります。


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