ウェルシュ菌は煮込み料理で食中毒に。レトルトでも安心するな!

カレーなど大量に作って作り置きすることがありますよね。

「一晩寝かせたカレーは美味しい!」

美味しさはともかくとして、一晩寝かせたカレーは、ある菌が増殖していて危険がいっぱいです。

この菌の正体は

ウェルシュ菌

ウェルシュ菌は、土や水の中、健康な人や動物の腸内など自然界に幅広く生息しています。

特に牛・鶏・魚が保菌していることが多く、汚染された肉を使った「カレー」「ハヤシ」「シチュー」などを大量に調理した煮込み料理が要注意だとされています。

一度に大量の食事を調理した、給食施設などでウゥルシュ菌によって発生した食中毒は、「給食病」とも呼ばれています。

出典:www.pill-case.com

なぜ大量に調理した煮込み料理が注意なのかといえば、

  • 肉類、魚介類、野菜 を使用する。
  • 大量に加熱調理される。
  • 室温で数時間放置される。
  • この条件が整った環境こそがウェルシュ菌が好む環境なのです。

    しかも、ウェルシュ菌には、アルコール消毒が効きません。

    さて、このウェルシュ菌の増殖するメカニズムを調べました。

     

    ウェルシュ菌の増殖

    しかし、自然界のいたるところに存在するウェルシュ菌ですので、カレーやハヤシを食べなくとも、私たちの体内に入ることはよくあります。

    大量に摂取しない限り、食中毒になることはなく、食中毒の症状が発症するためには、ウェルシュ菌だと約1000万個以上の摂取が必要とされています。

    つまり、爆発的に増殖させなければ安全なのです。

    では、どのようにしてウェルシュ菌は増殖するのでしょうか?

     

    空気が嫌い

    ウェルシュ菌は、嫌気性といって空気が嫌いな細菌のため、煮込み料理を大量に作ると、酸素濃度が低くなる鍋底のが、増殖に適した環境になるのです。

    菌も含めて生物は酸素がなければ生きていけないとばかり思っていましたが、こんな菌もあるのですね。

     

    熱に強い

    もう1つ、私たちは「菌は加熱すれば死滅する」と思いがちですが、このウェルシュ菌は、熱に強いのです。

    これが、ウェルシュ菌の最も厄介なところ。

    なんと、100℃で6時間の加熱にも耐える「芽胞(がほう)」を作ることで熱から守られるのです。

    この「芽胞」を一度作ってしまうと、通常の加熱ではなかなか死滅しません。

    つまり、煮込んでいる鍋の中で他の菌はほぼ死滅するのですが、ウェルシュ菌だけが生き残るのです。

     

    さめると増殖

    鍋底の空気がない、つまり菌の増殖に適した環境で、芽胞によって守られたウェルシュ菌は、加熱が終わり、鍋がさまされて、菌の発育に適した温度(55度くらい)まで下がると、殻を破って発芽し、増殖を始めます。

    カレーを作って一晩寝かせると美味しいと言われますが、一晩かけてウェルシュ菌が増殖するのです。

    さらに、ウェルシュ菌のは10度以下になると増殖をしなくなるのですが、さめた鍋の底というのは適度に暖かな環境で、ウェルシュ菌が最も増殖する温度は、45度前後と言われていますので、爆発的に増殖を始めるようになるのです。

    どのくらい爆発的なのかといえば、

    ウェルシュ菌は、約10分後に2倍に分裂します。

    つまり、20分後には4倍、30分後には8倍、40分後には16倍、50分後には32倍、そして1時間後には64倍です。

    このペースで増殖し続けると、食中毒をおこる1000万まで増殖するのにわずか4時間です。

     

    症状

    ウェルシュ菌が芽胞型に移行する際に、「エンテロトキシン」という毒素が生み出されます。

    この毒素が、胃を通過した小腸に作用して、水様性の下痢や腹痛などが起こります。

    潜伏期間は、約6時間から、最大で18時間くらい。

    平均としては10時間前後のようです。

    夕食に前夜のカレーを食べて、早朝に強烈な下痢に襲われるというパターンですね。

     

    ウェルシュ菌の食中毒を予防する

    よくかき混ぜて調理する

    ウェルシュ菌は、嫌気性という特徴を逆に利用して、調理中はよくかき混ぜ、鍋底にも空気を送りながら加熱しましょう。

     

    作ったら早めに食べる

    一度に大量の食品を加熱調理したときは、ウェルシュ菌の発育しやすい温度を長く保たないようにすることが大事です。

    さめなければ、菌が増殖することはないので、作ったら早めに食べる。

    これで、問題はほぼありません。

     

    常温保存しない

    それでも作りすぎてどうしても食べきれない。

    捨てるのはもったいない。それはわかる。。。

    そういうときでも、ウェルシュ菌が増殖しにくいように意識してください。

    具体的には常温保存を避けて、冷蔵庫に保存します。

    出来れば冷凍保存がベストです。

    増殖する時間を少なくするために、速やかに粗熱を取って冷蔵庫に保存しましょう。

    底の薄い他の容器などに移し替え、氷や保冷剤の上で混ぜると早く冷えます。

    ただし、冷凍保存してもウェルシュ菌は増殖しなくなりますが、死滅するわけではありません。

     

    小分けにして保存しよう

    冷蔵庫に保存する際には、小分けにすることで空気に触れる表面積を増やすことで増殖しにくくなります。

    また、小分けにすることで素早く粗熱が取れることでも有効です。

     

    食べる直前に、十分に再加熱する

    前述の通り、ウェルシュ菌は加熱しても死滅しませんが、ウェルシュ菌が作り出した「エンテロトキシンという毒素は加熱することで無害化します。

     

    レトルト製品なら安心?

    レトルト製品は中身を詰めて密封してから、加圧加熱して中身を殺菌しています。

    無菌にしてから封をするわけではありません。

    日本では120度で4分の加圧加熱殺菌というのが一般的です。

    ウェルシュ菌は、100℃だと6時間加熱しても死滅しないのですが、120度で4分間の加熱なら死滅する。。。はずなのですが、

    中にはこれをやっていないものもあるようなのです。

    食品のラベルに

    「食品を気密性のある容器に入れて、密閉した後、加圧加熱殺菌」

    の表記がないもの。

    また、

    「要冷蔵」

    「~度以下で保存してください」

    などの表記があるもの。

    本来あってはならないことなのですが、これらは、加熱処理が十分ではない可能性があります。

    レトルト食品は、常温保存できることが原則なのですが、この場合は冷凍庫などで保存し、賞味期限内に食べるようにしましょう。

     

    そして、レトルト食品の賞味期限は、製造してから2年間が一般的です。

    消費期限は一般に袋などに記載がありませんが、賞味期限の1.5倍の期間、つまり賞味期限が2年ならば3年間が事実上の消費期限と考えていいでしょう。

    賞味期限が切れても一定期間は美味しく食べられることが確認されているレトルト食品ですが、一定期間以上すぎると、中の脂分が酸化を始めます。

    レトルトパウチで殺菌しているといっても、全ての菌がなくなる滅菌は不可能です。

    そのため、わずかな菌も長期間経てば、お腹をこわす程度には繁殖してきます。

    腐ってくると袋が膨らんできて、パンパンになるようです。

    見た目パンパンでなくても膨らんでいる場合は、食べずに廃棄しましょう!。


    PAGE TOP