解離性大動脈瘤の前兆・自覚症状。喫煙はリスクを高める。石原裕次郎は成功率3%の手術から奇跡の復活

昭和の国民的英雄「石原裕次郎」を苦しめた「解離性大動脈瘤」

1981年に発症し、成功率3%と言われる難手術に成功し「奇跡の復活」と話題になりました。

大手術に挑んだ石原裕次郎には、見舞い客12,000人、手紙5,000通、花束2,000束、千羽鶴1,000束にも及ぶファンたちの声援が送られたそうです。

引用:middle-edge.jp

その後、石原裕次郎さんは、ハワイでしばらく静養していましたが、新たなに肝細胞がんが発覚。治療の甲斐なく、1987年7月17日に亡くなったのです。享年52歳でした。

報道によると、解離性大動脈瘤の手術による体力低下によって、肝臓がんが発見されたときも切除手術は見送られたようです。

奇跡の生還を果たしたものの、解離性大動脈瘤も死因の一旦と言えるでしょう。

その「解離性大動脈瘤」は前兆や自覚症状がなく、早期発見が難しいとされてきました。

しかし、その前兆や自覚症状となるデータも存在することがわかっています。

解離性大動脈瘤の原因、症状、予防法などと合わせて調べてみました。

 

解離性大動脈瘤とは

大動脈は、人間の血管の中で最も太く、心臓から出てすぐの胸部では内径が約25~30mmもあります。

その血管の壁は大きく分けると、内膜、中膜、外膜の3層に分けられます。

引用:jll.co.jp1

何らかの原因で動脈硬化が進み、血管が弾力を失い血管内に老廃物がたまると、この内膜に亀裂ができます。

そして、内膜と中膜との間に血液が入り込み、2枚の膜の間が剥がされます。

その剥がされた部分に血液が入り込み、どんどん解離が進み、裂け目が広がっていきます。

結果として、血管が瘤(こぶ)状に膨らみます。

引用:jll.co.jp

これが「解離性大動脈瘤」です。

これが進行すると、3層重なっている血管の壁が1層ずつはがれ、壁が裂けて大出血。

ショックで意識を失い、多くは死にいたります。

 

解離性大動脈瘤の症状

突然、胸あるいは背中に突き刺さるような激痛が起こります。

病状の進展につれて痛みが胸から腹、脚へと下向きに移っていくのが特徴です。

いきなり意識消失状態やショック状態となる方も少なくありません。

 

解離性大動脈瘤の前兆

自覚症状はないと言われていますが、

急に背中に痛みを感じて、湿布やマッサージをしても痛みが治まらないという訴えが、実は「解離性大動脈瘤」だったという例もあります。

また、発症前に、坐骨神経痛や腰痛を訴えていたというケースもあるので、原因不明の痛みが続くようでしたら、念のため受診してください。

 

作家・司馬遼太郎さんは1996年2月、腹部の大動脈瘤破裂で死亡しました。

医者嫌いで専門医の受診はされていなかったようですが、司馬さんが書き残した、日記や手紙によるとかなり以前から体調不良を訴えていたようで、大動脈瘤の前兆を知る貴重なデータとなっています。

亡くなる1年半前 :左の坐骨神経痛で、1週間は歩行もできずに苦しんでいた

亡くなる8か月前 :右足が重い、と感ずることが10日ほどつづき、レグウォーマーで足を暖めた

亡くなる同2か月前 :周囲の人に顔色が白く見えるほど貧血が進む

亡くなる1か月前 :腰痛の治療をする

亡くなる半月前 :風呂場で貧血

 

司馬さんの記録を分析した専門医によると

「前兆は亡くなる1年半前からあった。坐骨神経痛や腰痛は大動脈瘤が大きくなって背骨や足にいく神経を圧迫したために起きた症状と考えられる。」

 

自覚症状がなく、発症前の発見が難しいとされていましたが、原因不明の痛みが続くようであれば、念のため受診することをお勧めします。

 

解離性大動脈瘤の発症例

下の図が「大動脈解離」の男女別年齢分布です。

引用:大動脈瘤・大動脈解離診察ガイドライン

明らかに年齢とともに発症リスクが高まっているのがわかります。

男女比では、すべての年齢層で男性の発症例が多いですね。

発症次期は、冬場に多く夏場に少ない傾向があるようです。

また、時間的には日中の6~12時が多く、深夜から早朝は少ないという報告があります。

 

解離性大動脈瘤の原因

原因は主に、動脈硬化(動脈の内壁が肥厚し硬化した状態)により引き起こされると考えられています。

動脈硬化の危険因子としては次のようなものがあげられます。

  • 高血圧
  • 脂質異常症(高脂血症)
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 偏った栄養バランスの食事(動物性脂肪の多い高カロリー食など)
  • アルコール
  • 加齢
  • ストレス

特に「解離性大動脈瘤」を引き起こす要因として指摘されるのは、「喫煙」です。

横浜市立大学の研究によると、解離性大動脈瘤の患者361人の症例対照調査によって、「喫煙」は発症リスクを3倍にする危険因子であることがわかりました。

 

解離性大動脈瘤の治療

まずは、痛みを和らげ、血圧を正常に保つことを目標に薬物療法が行なわれます。

裂け目が心臓に近い箇所におよんでいる場合には手術が必要となります。

手術では、裂け目がある血管を人工血管に置き換えます。

しかし、一旦発症すると、新たな箇所に解離が発生するなど合併症も多く、手術が成功しても血圧を低く保つ薬物療法の継続が必要になります。

また、手術が避けられる場合でも、裂け目が残っていることを考え、禁煙、減塩食を徹底し、血圧を下げる薬を服用しながら、定期的に通院します。

それでも血圧が安定せず、裂け目が大きくなっていく場合には、手術が必要となるようです。

 

解離性大動脈瘤の予防法

主原因である動脈硬化を防ぐこと、予防策はこれしかありません。

発症するのは50代以降に多いのですが、動脈硬化は時間をかけて進行するため、若いころから適度な運動動物性脂肪の取りすぎに注意するなど、正しい生活習慣を心がけましょう。

特に、「喫煙」は発症リスクを大きく高めるので控えるべきです。

 

大動脈瘤破裂・解離で亡くなった著名人

歌手・大瀧詠一さん(享年65)

コメディアン・三波伸介さん(享年52)

俳優・米倉斉加年さん(享年81)

漫画家・畑中純さん(享年62)

映画解説者・淀川長治さん(享年89)

小説家・司馬遼太郎さん(享年72)

俳優・阿藤快さん(享年69)

など多数いらっしゃいます。

 

1日でも長く健康な生活を送れるように、日常の生活習慣の改善に心がけましょう。

 

※注)以上の内容は、様々な情報を客観的に判断し掲載したものですが、医学的に正確な情報であることを保証するものではないことを予めご了承ください。


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